こんにちは、らひ子(@rhkcha)です。
冬場になると毎年、感染力の強いウイルス性胃腸炎が流行ります。
高熱が出るインフルエンザもつらいですが、嘔吐下痢症とも呼ばれる感染性胃腸炎は、その名の通り嘔吐や下痢の症状が激しく、とても体力を消耗しますよね。
自分ではなく家族がかかっても、家庭内で感染が広がらないように気を使いながら看病に追われる大変な病気です。
感染性胃腸炎で冬場によく聞くのが、ノロウイルスとロタウイルスですが、この2つの胃腸炎はどう違うのでしょうか。
ノロウイルスとロタウイルスの症状の違いや、ノロウイルスの治療方法、かかってしまったらいつまで学校や会社を休んだらいいのかをまとめました。
目次
ノロウイルスとロタウイルスってどんな違いがあるの?
ノロウイルスの症状
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潜伏期間:24~48時間(1~2日)
主に流行する時期:10月~2月頃
かかりやすい年代:小学生~老人
・突然の嘔吐で始まる
・激しい嘔吐と吐き気は6時間~半日くらいで治まる
・腹痛
・下痢(それほどひどくない)
・38度以下の発熱
・3日以内には症状がよくなる
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さっきまで元気だったのに、突然の強い吐き気に襲われ、激しく嘔吐することが多いです。
嘔吐は6時間以内には治まることが多く、腹痛や下痢もそれほどひどくならないでしょう。
早ければ1日、遅くても3日以内には下痢症状もなくなります。
普段が健康であれば、大人でも子供でも重症化することはまれです。
ノロウイルスを疑って病院を受診しても、脱水症状がなければ整腸剤などの薬が出されるだけの対症療法となります。
もし脱水症状がある場合や、自力で水分が取れないということがあれば、病院で点滴を受けることになるでしょう。
私が実際にかかった時ですが、夜にテレビを見ていたら、本当に何の前触れもなく突然吐き気に襲われトイレに直行。
そこから2時間ほど強い吐き気のためトイレから出られず、便器に寄りかかってぐったりしていました。
その後は夫が敷いてくれていた布団に這って移動し、うなされながらも一晩寝たら、翌日にはだいぶよくなっていました。
下痢症状はあまりなく、少しお腹の調子が悪いかなという程度で、熱も出ませんでした。
感染原因は、当時1歳だった長男が前日に突然嘔吐したので、その吐しゃ物を何の対策もせず不用意に片付けたことだと思います。
(長男は吐いてもとても元気だったので、単なる食べ過ぎかな?くらいに思ってました)
そして私が嘔吐した翌日、まんまと夫にも感染して、ノロウイルスの感染力の強さを実感しましたね……
※ノロウイルスの感染対策については、明日以降で記事にします。
ロタウイルスの症状
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潜伏期間:24~72時間(1~3日)
主に流行する時期:2月~5月頃
かかりやすい年代:乳児~未就学児(赤ちゃんから小学校入学前くらいまで)
・突然の嘔吐と下痢で始まる
・白色の便の下痢(水状)が3日~1週間ほど続く
・発熱が続く
・1~2週間かけて少しずつ症状がよくなる
・大人はあまり発症しない(発症しても症状が軽い)
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ロタウイルスは白い便が出ることから「乳児白色下痢症」とも呼ばれ、特に多くかかるのが1~2歳の幼児です。
ノロウイルスよりも症状がなくなるまでの時間がかかり、特に下痢の期間が長いことが特徴です。
乳幼児だと自分の体の具合を的確に親に伝えられないことに加え、嘔吐や下痢のせいで脱水症状を起こしやすくなっています。
親がよく注意をして、尿が出ているか(おむつチェック)、顔色が異常に悪くないか、皮膚が乾燥していないかなど、脱水症状になっていないかをこまめに確認しましょう。
もし脱水症状を起こしていると判断した場合は、すぐ病院を受診しましょう。
口から水分が取れない場合は、点滴か入院治療となります。
ロタウイルスに関しては、2011年から乳児に対して予防接種(任意)が開始されています。
※ロタウイルスワクチン予防接種については、明日以降で記事にします。
ロタウイルスはノロウイルスとは違い、大人に感染しても症状があまり出ません。
ロタウイルスは一度かかると、体内に抗体ができるため、大人はすでに一度以上感染して、ロタウイルス抗体を持っていることが多いためです。
ただしインフルエンザのようにいくつかの型があるので、かかったことのないロタウイルスの型だと、発症することもありますが、軽く済む場合が多いようです。
ロタウイルスは5歳までに複数回かかることも多く、小学校入学前の子供の95%が一度はロタウイルスにかかったことがあるとのこと。
脱水症状の重症化には気をつける必要がありますが、子供なら誰もがかかる病気ともいえますね。
ノロウイルスなのかロタウイルスなのか判断するには
ノロウイルスやロタウイルスを診断するには、検便を実施することになります。
しかし大人の場合、検便検査に保険がきかないため、通常は検査をすることはありません。
病院の医師は患者から症状を聞いて、ノロウイルスやロタウイルスと判断して対処してくれます。
白い便が出ていたらロタウイルス、乳幼児でなければノロウイルスと考えて差し支えないのは、どちらの胃腸炎に対しても対症療法しかないからです。
ノロウイルスの治療方法は?食事はどうする
ノロウイルスの治療方法
ノロウイルスは、乳幼児や年配の方がかかると脱水症状などで重症化することもありますが、普段は健康で水分を経口で十分にとれる大人ならば、自宅で安静にしていれば治る病気です。
病院を受診しても、今起きている症状を緩和する対症療法(吐き気止めや整腸剤などの処方)しかできません。
残念ながら、ノロウイルスに直接効く薬や予防薬は今のところありません。
そのため病院受診後は、医師に処方された薬を飲みながら、自宅で嘔吐や下痢の症状が治まるのを安静にして待つことになります。
しかし口から水分が取ることができない、飲んでもすぐに吐いてしまう場合は、脱水症状が進みすぎている可能性もあるので、至急病院を受診し、点滴などをしてもらうことが望ましいです。
子供がノロウイルスにかかった場合は、ある程度吐き気が治まった段階で念のため病院を受診するのもいいと思います。
しかし大人の場合は、自分で体調を判断し、自力で水分が取れるようなら自宅で安静にして様子をみるのもいいでしょう。
ノロウイルスにかかった場合の自宅での食事は
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・ノロウイルス発症直後の吐き気が強い時間は、水分を無理にとらなくてよい
・吐き気が落ち着いてきたら、少しずつ水分を取る
・ただの水やお湯より、冷たくない経口補水液がおすすめ
・5~10分に一口飲むことから始め、吐き気がしないか確認する
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吐き気が強いときに水分を取っても、またすぐに吐いてしまうだけです。
ずっと吐いていると脱水症状が心配になりますが、吐き気が治まるまでは無理に水分を取らない方が胃腸への負担も少なく済みます。
吐き気が落ち着いてきて「水を飲みたい」と思えたら(患者が水を欲したら)、少しずつ水を与えます。
その際は、ただの水やお湯よりも、冷やしていない経口補水液を飲むことをおすすめします。
脱水症状とは、体から水分と塩分(ナトリウム)が失われた状態なので、塩分も補給できる経口補水液がおすすめなんですね。
スポーツ飲料もいいのですが、糖分がかなり多いので、できれば処方箋薬局やドラッグストアで売っている経口補水液にしてください。
【ちびちび・ごっくん ゆっくり少しづつ飲もう経口補水液 ショートver.】
経口補水液の子供への飲ませ方が動画で紹介されています。
経口補水液は、スポーツドリンクのようにがぶがぶ飲むものではなく、ゆっくりと少しずつ飲むものであることが分かりやすく説明されている動画です。
またネット検索すると、自宅にある水・塩・砂糖を使って経口補水液を作る方法も出てきますが、あくまでも緊急用という考えでいてください。
自宅で作る経口補水液は脱水症状の時に不足するカリウムを含めることができず、塩や砂糖の分量を適当に測った場合は脱水症状を改善させられないこともあります。
経口補水液を保存する容器も消毒した方がよく(胃腸が弱っているので雑菌が繁殖した経口補水液は逆効果)、その日のうちに飲みきるようにしないといけません。
自作の経口補水液は取り扱いが難しいので、できれば市販の経口補水液を冬場は常備しておくといいでしょう。
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・食事は無理して取らなくていい
・普段は健康なら、1~2日くらいは水分だけでも問題なし
・嘔吐がなくなり空腹感を感じたら、おかゆやうどんなど消化のいいものを少量ずつ食べる
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ただし、乳幼児や年配の方の場合は栄養状態が極端に悪くなってしまうと問題があるので、病院を受診し、食事について指示をもらってください。
ノロウイルスが発症している状態は、胃腸で炎症が起きています。
食事で食べたものを消化をしなければいけない状況は、その胃腸の炎症状態を悪化させることにもなります。
嘔吐がなくなり、お腹が空いたという感覚が戻ってきたら、おかゆやうどん、小さく切ったりんごなど消化のいいものを少しずつ食べてください。
油っこいものや糖分の多いお菓子、かんきつ類などは超を刺激して、嘔吐はなくても下痢症状には悪く影響するので控えましょう。
ヨーグルトやヤクルトなどの乳酸菌は腸の善玉菌を増やしてくれるので、食べたり飲んだりしても吐き気が出ないようなら、少しずつ取り入れましょう。
ノロウイルスの出席停止や出勤停止の日数は決まっているの?
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・学校の出席停止期間・会社の出勤停止期間は決まっていない
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インフルエンザとは違い、ノロウイルスでは出席停止や出勤停止の日数は定められていません。
ただし保育園や幼稚園・会社によっては、感染性の病気について規定されている場合もあるので、一度確認してみてください。
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・ノロウイルスの感染力は、発症から3日目くらまでが非常に強い
・嘔吐や下痢症状が落ち着いたとしても、発症から1週間は感染力がある
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ノロウイルスが体内からすべて便として出ていくまでは、長い人だと1か月かかるという調査もあります。
ただ、人にすぐうつるほどの強い感染力は1週間くらいなので、できれば発症から1週間は学校や会社を休むことが望ましいですね。
感染性胃腸炎は人によって症状が様々で、1日でよくなってしまったり、嘔吐や下痢も非常に軽く済んでしまう人もいます。
だからといってすぐに仕事に復帰したり、子供を学校に登校させてしまうと、ノロウイルスを周りの人にばらまいてしまうことにもなります。
決められた出勤停止・出席停止期間がないということで判断が難しいのですが、強い感染力を持ったノロウイルスへの集団感染を防ぐためにも、自分だけがよければいいという考え方はしないようにしてください。
もちろん嘔吐や下痢症状が出ている間は必ず自宅で安静にすることが必須ですが、症状は一応治まったけど出社していいのかどうか自分で判断できない場合は、会社に指示をお願いするのもいいでしょう。
子供の場合は嘔吐や下痢で体力が消耗していることも考え、症状が治まっても少し様子をみてあげるといいですね。
また、いつもの給食やお弁当が食べられるくらい回復したかどうかも、通学への判断材料のひとつになります。
保育園の場合は、非常に集団感染が起こりやすい環境なので、登園する場合は病院を受診して医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ
ノロウイルスとロタウイルスについてまとめました。
冬になると風邪やインフルエンザも流行り、ノロやロタではない単なる胃腸風邪にかかることもあります。
これらの病気のことを一通り知っているだけでも、自分や家族の突然の体調不良にも慌てず対応できるようになります。
病気になった時にはやはり病院を受診するのが一番ですが、一般的な病気の原因や対処方法は知っておいて損はないですね。
私自身もわが子らもノロウイルスやロタウイルスには何度もかかって、そのたびにつらい思いをしてきましたが、これらの体験がこの記事に反映されて、少しでもお役に立てていれば嬉しいです。