ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い浴室やトイレに移動することで、血圧が急に変動し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こしてしまう怖い現象です。
11月から3月の寒い時期に、自宅内の浴室や脱衣所で急に倒れて、救急搬送される中高年の人が増えます。
医師や消防署が毎年注意を呼びかけていますが、ヒートショックによる死亡事故はなくなりません。
ヒートショックはどんな状況でなりやすいのか、またヒートショックを防ぐために、暖房やヒーターを上手に使う方法をまとめました。
ヒートショックとは誰がどんな時になるの?
ヒートショックについて、症状が起こる原因・なりやすい人・いつから起こりやすくなるのかを説明します。
ヒートショックの症状になる原因
人の体内にある血管は、外気温によって縮んだり、広がったりしています。
血管が縮むと血圧は高くなり、広がると血圧は低くなりますね。
そうした血圧の変化が、体内で急激に起こると、脳卒中や心筋梗塞を起こす危険性が高まります。
ヒートショックは、血圧の急激な上下が原因です。
1. 暖かい部屋から、お風呂に入るため寒い脱衣所へ移動
→血管が縮み血圧が上昇
※脳出血の危険
2. 寒い脱衣所から、冷えた浴室に入る
→さらに血管が縮み血圧が上昇
※脳出血の危険
3. 冷えた体のまま、熱い湯船に浸かる
→縮んでいた血管が急に広がり血圧が低下
※失神・脳梗塞・心筋梗塞の危険
血圧の急激な変化は、体にとても大きな負担をかけます。
また、血圧の急激な変化で失神することもあり、湯船の中で失神すると、溺死する可能性も高くなるので要注意。
ヒートショックになりやすい人
・60歳以上の中高年
・高血圧
・糖尿病
中高年でかつ高血圧の場合は、特に気をつけないといけません。
ヒートショックから命が助かったとしても、高齢の人が脳梗塞や脳卒中を起こしていた場合、その後の経過によっては、寝たきりになってしまうこともあります。
ただし、若い人が絶対にならないわけではありません。
急激な外気温の変化は、年齢にかかわらず、体に大きな負担がかかると考えてくださいね。
ヒートショックはいつから起こるのか
11月~3月の冬場
地域にもよりますが、ヒートショックによる死亡事故の多くが、11月~3月の期間に起きています。
なかでも特に12月~1月は事故が多くなります。
高齢者のいる家庭では、気をつけましょう。
↑ 気象情報にもとづき、家の中でヒートショックがどのくらい起こりやすいかの予報が出ています。
ヒートショックを防ぐために具体的に気をつけること
自宅内のすべての部屋で、気温差を作りすぎない
特に気をつける場所
・脱衣所
・浴室
・洗面所
・トイレ
・廊下
ヒートショックの事故が一番多いのは、リビングより寒く気温が低くなりがちな、脱衣所や浴室です。
ほかにも、暖房のないトイレや洗面所・廊下でも、気温差が大きいほど、ヒートショックになる危険が大きくなります。
暖かい部屋から寒いところへ移動すると、体は体温を保持しようとして、筋肉を震わせ血管を収縮し、血圧や脈拍を上げます。
血圧の乱高下(急激な変化)が、ヒートショックの一番の原因になります。
高齢者がいる家庭では、自宅内で「寒い」と感じる場所をなくすように心がけてください。
浴室・トイレ・洗面所・廊下に置いて、すぐにその場を温めてくれる暖房器具を紹介するので、活用してくださいね。
ヒートショックは冬のお風呂で起きやすいので注意
ヒートショックは自宅内の寒いところなら、どこでも起きる可能性はありますが、やはり一番事故が多いのは脱衣所と浴室です。
冬場のお風呂でヒートショックを起こさないようにするには、脱衣所と浴室を暖めるのが大切。
効率よく暖める方法に関しては、↓この記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
https://kuneru.net/4437.html
また、ヒートショックを避けるため、中高年の人の行動で、気をつけることをまとめました。
高齢の家族が、冬のお風呂に入るときに注意すること
・一番風呂をやめる
・家族の誰かが常に気をかけておく(風呂に入っている時間など)
・飲酒後は風呂に入らない
・湯船の温度を42度以上にしない
年配の方は、熱いお湯に短時間入ることを好むことが多いです。
でも熱いお湯は体に負担が大きいので、少しぬるいかな?と感じる程度のお風呂にゆっくり浸かることで、体は芯から温まります。
無理のない入浴方法を教えてあげることをおすすめします。
ヒートショック対策のまとめ
60歳以上の中高年に多くみられる、ヒートショック対策についてまとめました。
ヒートショックは室内の温度差によって起きるため、冬でもなるべく各部屋の温度差を作らないようにしたいですね。
高齢者はもちろん、小さい子供や妊娠中の女性・若いけれど持病がある人にとっても、冬場に各部屋の温度を一定以上に保つことは、健康のためにも快適に過ごすためにも必要なこと。
ヒートショックという悲しい事故が起きてから後悔するのではなく、できることから自宅内の環境を整えて、家族の誰にとっても、1年中居心地のいい部屋を作りましょう。