水族館では、普段気軽に見ることのできない海の生物が、たくさん展示されています。
幻想的な魚や生物を、一眼レフやミラーレスカメラで撮影してみましょう。
ただし、水族館の中は薄暗くなっていることが多く、手ブレが心配です。
素早い動きの魚を上手にとらえる方法や、ゆっくりと漂うクラゲへのピントの合わせ方など、覚えておくといいですね。
水族館で、海の生物をキレイに撮れるカメラ設定や、おすすめのレンズを紹介します。
水族館内で写真撮影をするときの基本
・フラッシュ禁止
・AF補助光もオフにする
・なるべく明るいレンズを使用する(最小F値の小さいもの)
・標準ズームレンズが便利
・水槽への写り込み防止のため、できるだけ水槽に近づいて撮影する
どこの水族館でも、フラッシュ撮影は基本的に禁止されています。
強い光は生物に悪影響を与えてしまうため、フラッシュがカメラに内蔵されている場合は、自動的に発光しないよう、あらかじめ設定しておきましょう。
また、暗い場所でオートフォーカスを使用すると、カメラが自動的に赤い光を出すことがあります。
これは「AF補助光」といって、多少暗い場所でもオートフォーカスが合いやすくなるよう、自動的に発光する仕組みです。
「AF補助光」の赤い光も、暗い水族館内では明るく感じるので、設定画面からオフにしておきましょう。
※オリンパスは「AFイルミネータ」という名称
レンズに関しては、暗い場所での撮影なので、最小F値が小さい(F1.8~2.8くらい)明るいレンズがおすすめです。
単焦点レンズもいいのですが、標準ズームレンズだと、水槽の手前にいる魚から奥にいる魚まで、撮れる範囲が広がるのが魅力的です。
ゴム製レンズフードが水族館撮影におすすめ!
館内が暗いため、水槽のガラス面に、自分の姿が写り込んでしまうことがあります。
写真への写り込みを防止するには、できるだけ水槽にピッタリとくっついて撮影するのがポイントです。
そのさい、レンズが水槽にぶつかってしまうのを防ぐため、ゴム製のレンズフードを縮めて使用してみましょう。
ゴム製のレンズフードは、自分好みの長さにフードを伸縮させられ、ある程度なら湾曲したガラス面にも沿わせることができます。
フードを長くのばせば、余分な光をよけるという、普通のレンズフードと同じように使うこともできます。
ゴム製レンズフードは1,000円以下で手に入るので、レンズ口径に合わせて一つ持っておくと便利ですね。
クラゲなど、ゆっくり動く水槽の魚を撮る
・モード……A または Av(絞り優先)
・F値……最小(小さい数値)
・露出……マイナス補正(-1.0前後)
・ホワイトバランス……水中(日陰・曇天)
・ISO感度……オート または 1250あたり
・オートフォーカス……S-AF(シングル)
クラゲ本来の色味や、水槽をライトアップする色を見たままに表現したいなら、ホワイトバランスは「水中」にします。
「水中」がない場合、「日陰」や「曇天」にして、赤みを足しておきます。
慣れるまでは、オートホワイトバランスにして撮影し、液晶画面で色味を確認しながら、ホワイトバランスを変更するのもいいでしょう。
幻想的な雰囲気を出すために、あえて「蛍光灯」にして、さらに青みを足すのもおすすめです。
クラゲの水槽は特に暗くなっていることが多いため、開放絞り(F値最小)にして、明るさを確保します。
それでも手ブレや、クラゲの動きで被写体ブレするなら、ISO感度を高めに設定しましょう。
手間がかからないのは、ISO感度を「オート」にしておくこと。
オートの最大値を 6400 にすると、手ブレや被写体ブレでの失敗が格段に減ります。
ただしISO感度の数値が高いと、写真にノイズが出やすくなりますね。
手ブレと画像に出てしまうノイズとの兼ね合いを考えて、カメラに合った最大値を設定してください。
熱帯魚など、素早く動く水槽の魚を撮る
・モード……S または Tv(シャッタースピード優先)
・シャッタースピード……1/100 ~ 1/160
・F値……最小(小さい数値)
・露出……0 または マイナス補正(-1.0前後)
・ホワイトバランス……水中(日陰・曇天)
・ISO感度……オート または 400 ~ 1250前後
・オートフォーカス……C-AF(コンティニュアス)または AF-C・AIサーボ
オートフォーカスは、動く魚を追いつつピントを合わせ続けてくれる、「コンティニュアス」モードにします。
カメラメーカーによって名称は違いますが、機能は同じです。
コンティニュアスモードは被写体を追ってくれるので便利ですが、万能ではありません。
そのため、コンティニュアスモードと「低速連写」モードを併用して撮影するのがおすすめ。
連写撮影なら、複数枚の中からブレていない写真を選ぶことができます。
積極的に使っていきましょう。
水族館での撮影まとめ
私の経験になりますが、初めてミラーレスカメラで水族館の撮影をしたとき、あまりにも思い通りに撮れなくて、とてもショックを受けました。
・動く魚にピントが上手く合わない
・ゆっくりと動いているように見えるクラゲすら被写体ブレする
・魚を撮っているカメラを持つ自分の姿が水槽に写り込む
・どの写真もやたらに青っぽい
などなど、「水族館で撮ったダメ写真あるある大全集」になったことを、今でも覚えています。
失敗は成功のもと、なんて言いますが、それでもできるだけ失敗はしたくないものです。
この記事で説明している、水族館での撮影ポイントをしっかりと覚えて、海の生物をいきいきと撮影してみてくださいね。