一眼レフやミラーレスカメラで写真を撮る前に、ぜひ確認してほしいのが「画質の設定」です。
デジタルカメラでは、撮影した写真の記録サイズや画質を、必要に応じて設定することができます。
SNSへの投稿・ブログへの掲載・A4サイズまでの写真プリントなら、カメラを買ったままの設定でも大丈夫。
でも、もし自分の撮った写真が、思いがけずコンテストに入賞して、大きなサイズでプリントされることになったら?
もしかすると、今の画質設定のままでは、プリントした写真にノイズが出てしまう可能性があります。
普段はあまり意識しない画質設定ですが、一度はきちんと確認してくださいね。
画質の設定を知ることで、自分に必要な写真データを、適切なファイルサイズで取り扱うことができるようになります。
一眼レフやミラーレスカメラの、画質と記録サイズのおすすめ設定を知り、状況に応じて使い分けられるようにしましょう。
一眼レフの画質や記録サイズ(=画像サイズ)を設定・確認する
一眼レフやミラーレスカメラの写真に関わる設定には、2つの要素があります。
画像サイズ(L・M・S)
・L……Large(大)
・M……Middle(中)
・S……Small(小)
画像サイズが大きいほど、写真プリントを大きくすることが可能です。
2,000万画素のカメラで、L判プリントやSNS・ブログ掲載するなら、Sでも十分です。
しかし、SDカードやパソコンのHDD容量にある程度の余裕があるなら、
「大きく写真プリントをしたい!」
と思った時にすぐ対応できるよう、常にLに設定しておくことをおすすめします。
画質(Fine・Normal・Basic)
・Fine……高画質
・Normal……標準画質
・Basic……最低限画質
デジタルカメラの写真で使われるJPEG(ジェイペグ)形式は、圧縮して画像が保存されます。
圧縮率が低い(Fineが一番低い)ほど、ノイズが少なく良い画質になりますよ。
画質も画像サイズと同様に、なるべくFineに設定しておくのがおすすめ。
画像サイズと画質を組み合わせる
一眼レフやミラーレスカメラでは、画像サイズと画質を組み合わせて、画質を決定します。
カメラ本体にある、メニュー設定から変更できます。
画像サイズ + 画質 おすすめの組み合わせ
L F(画像サイズ Large + 画質 Fine)
L N(画像サイズ Large + 画質 Normal)
M F(画像サイズ Middle + 画質 Fine)
本来は、用途に応じて、画像サイズと画質を変更するものです。
しかし、私の場合……
・毎回、設定を変更するのが面倒
・設定を変更したことを忘れて、いざというときに意図しない画質で撮影してしまう
こうした失敗が起こるので、常に「L SF」(画像サイズ Large + 画質 Super Fine)で固定です。
※オリンパスのミラーレスカメラには、Fine のさらに上に Super Fine がある
SNSへのアップなら、InstagramやTwitter側で、画像が自動的に圧縮されます。
自分のブログにアップするなら、パソコンの画像編集ソフトを使い、画像サイズを小さくし、場合によっては画質も落とします。
写真プリントは、L判・2L判・A4サイズで行いますが、そのままのデータが使用できます。
・カメラの画質設定は固定(L F)で、用途に応じてあとからパソコン編集をする
・毎回、撮影した写真をどのように使うのか決めてから、カメラの画質設定を変更する
どちらにするかは、人それぞれカメラの使い方によって変わってきます。
自分がやりやすい方法を選びましょう。
RAW(ロウ)とは
デジタルカメラで撮影したデータは、最初はただのデジタル信号です。
しかし、デジタル信号のままでは人が見ることができないため、カメラ内で画像化し、JPEG形式で保存されます。
こうして、人が見える「写真」となります。
撮影したデータをJPEG形式にせず、デジタル信号のまま保存したデータを「RAW(ロウ)」といいます。
RAWは、パソコンでの画像編集を前提とした画像形式です。
RAWデータを編集することで、画質を劣化させることなく、本格的な画像編集をすることができます。
※JPEGもパソコンで画像編集できるが、画質が劣化する
RAWデータのままでは、他のカメラや一般のソフトウェアでの再生・表示はできません。
機種によりますが、カメラ本体でRAWデータを編集・加工・JPEGにしたり、RAW+JPEGの撮影が可能です。
また、RAWデータは非常にファイルサイズが大きいです。
最高画質のRAW形式で撮影する場合は、SDカードやパソコンのHDD容量に注意しましょう。
画質と画像サイズ別・実際に撮影できる枚数
私が実際に使っているカメラを参考に、実際の撮影可能枚数を一覧にしました。
※ミラーレスカメラ・オリンパスOM-D EM-5 MarkII(1,720万画素)
※撮影可能枚数はおおよその目安
※カメラの画素数が大きくなれば、ファイルサイズが増える
※ファイルサイズが増える=撮影可能枚数が減る
※実際のファイルサイズは被写体によって変わる
画像サイズ + 画質 | ファイルサイズ | SDカード(1GB) | SDカード(16GB) |
---|---|---|---|
Large + SuperFine(L SF) | 8.4MB | 79枚 | 1,264枚 |
Large + Fine(L F) | 5.9MB | 114枚 | 1,824枚 |
Large + Normal(L N) | 2.7MB | 248枚 | 3,968枚 |
Large + Basic(L B) | 1.8MB | 369枚 | 5,904枚 |
Middle + SuperFine(M SF) | 5.6MB | 155枚 | 2,480枚 |
Middle + Fine(M F) | 3.4MB | 257枚 | 4,112枚 |
Middle + Normal(M N) | 1.7MB | 508枚 | 8,128枚 |
Middle + Basic(M B) | 1.2MB | 753枚 | 12,048枚 |
Small + SuperFine(S SF) | 0.9MB | 1,034枚 | 16,544枚 |
Small + Fine(S F) | 0.6MB | 1,488枚 | 23,808枚 |
Small + Normal(S N) | 0.3MB | 2,774枚 | 44,384枚 |
Small + Basic(S B) | 0.3MB | 3,814枚 | 61,024枚 |
引用:オリンパス OM-D E-M5 MarkII 取扱説明書より一部抜粋
こうしてみると、16GBのSDカードでも十分な枚数が撮れることが確認できます。
私は「L SF」に設定し、64GBのSDカードを使うので、ライブビューに表示される撮影可能残枚数は、5,000枚前後です。
今まで1日に撮影した最高枚数は1,700枚なので、十分な画質が得られる「L F」設定でも、16GBのSDカードで足りてしまいますね。
https://kuneru.net/4056.html
一眼レフで写真コンテストを狙うための画質設定
写真コンテストでも、インスタグラムに投稿してハッシュタグをつけるだけで完了、という手軽なものが増えてきました。
この場合は、画像サイズ Middle + 画質 Normal(M N)あたりでも十分でしょう。
写真をプリントして応募するコンテストなら、画像サイズ Large + 画質 Fine(L F)にすることを強くおすすめします。
大賞などをとった場合、大きなサイズ(ポスターなど)で、プリントされることがあります。
画像サイズが S(Small)や M(Middle)だと、プリント時に、画像の細部にノイズが出てしまうことも。
残念な結果にならないよう、画像サイズと画質の設定には慎重になってくださいね。
写真コンテストは、写真雑誌・地域の団体・企業などが開催しますが、それぞれ応募要項があります。
写真の大幅な加工は不可とするコンテストもあるので、応募要項をよく読んでから、参加しましょう。
一眼レフの画質と画像サイズの設定まとめ
カメラを持ち歩いていれば、いつどこでステキなシャッターチャンスがあるか分かりません。
どんな機会も逃さないよう、写真の画質は良い方がおすすめです。
とはいえ、画質が良くなるほど、画像データのファイルサイズが増え、SDカードやパソコンのHDDを圧迫します。
自分が普段、どういう写真の撮り方をするのか、撮った写真をどのように利用するかを把握し、自分に最適な画質を選択しましょう。