キレイな夕日や茜色に染まる夕焼け空は、一眼レフやミラーレスカメラで美しく撮影したいものですね。
色づいていく夕景を、オートモードで撮ると、明るさや色合いが目で見た印象と違って写ることがあります。
夕日が沈むまでという限られた時間内で、夕日を含めた風景を素早く思い通りに撮るために、カメラ設定を確認しておきましょう。
一眼レフで夕日を見たままの雰囲気で撮影するには
夕焼けの空はカメラが暗いものと認識するため、自動的に明るく写そうとします。
そのためカメラの撮影モードをオートにすると、夕日らしい雰囲気が消えてしまいます。
夕日を見たままの色合いで撮影するための、おすすめカメラ設定は以下の通りです。
撮影モード:A または Av(絞り優先)
絞り:F8.0
シャッタースピード:1/250秒
露出補正:-2.0
ISO感度:200
ホワイトバランス:曇天
焦点距離:フルサイズ 80mm/APS-C 60mm/マイクロフォーサーズ 40mm
一番のポイントは、露出補正をマイナスにすること。
マイナスにすることで、色合いが濃く表現されるため、夕焼けの空を美しく撮影することが可能です。
思い切って、マイナス2.0あたりまで下げてみましょう。
ISO感度は手持ち撮影することを考え、シャッタースピードを稼ぐために、800程度まで上げてもいいです。
また遠景でもあるので、絞り値を小さくしても問題ありません。
絞り値を小さくすることで、シャッタースピードを速くすることが可能です。
ホワイトバランスは、オートより「曇天」にすることで、写真に赤みを足すことができます。
より夕日や夕焼けの雰囲気を強調するためには、曇天にしておきましょう。
焦点距離は、撮りたい風景によって変わるので、標準ズームレンズがあると便利ですね。
日没時間や日没場所のチェックを忘れずに!
季節によって、太陽が沈む時間や場所に大きな違いがあります。
夕日の撮影では、このちょっとした違いで撮れる写真が大きく変わってきます。
夏は日没時間がかなり遅いですし、冬なら16時ごろから準備を整えておかないと、夕日の撮影は難しくなります。
スマホアプリには、日の出・日の入の時間と方角が確認できるものがあるので、活用してみてくださいね。
一眼レフならマジックアワーも逃さず撮ろう
夕日の撮影をしていると、太陽が沈む速さに驚くことがあります。
太陽が沈んでしまったら、夕日の撮影は終了ですが、せっかくなので「マジックアワー」と呼ばれる時間を待ってみましょう。
マジックアワーとは、よく晴れた日の太陽が沈んでしばらくすると、空が青から赤のグラデーションに染まる時間帯のことをいいます。
風景写真を撮る人なら必ず知っているマジックアワーですが、初心者が撮影するのにもおすすめです。
夕日撮影と同じく、マジックアワーも時間が限られているので、日没時間を事前に調べておきましょう。
撮影モード:A または Av(絞り優先)
絞り:F8.0
シャッタースピード:1/25秒
露出補正:-1.0
ISO感度:200
ホワイトバランス:蛍光灯
焦点距離:フルサイズ 80mm/APS-C 60mm/マイクロフォーサーズ 40mm
マジックアワーは青みがかった空の色が特徴なので、ホワイトバランスは、青が強く出る蛍光灯がおすすめです。
夕日撮影と同じく、露出補正は色合いが濃く表現されるマイナスがおすすめ。
ISO感度は手持ち撮影をするなら、シャッタースピードを稼ぐために、800まで上げても大丈夫です。
露出を変えた写真を、自動的に複数枚撮れる機能を活用する
一眼レフカメラやミラーレスカメラには、「オートブラケット」という機能があります。
カメラメーカーによって名称は異なり、AEブラケット・BKT・AEB・ABCなどと呼ばれています。
シャッターを一度押すだけで、以下の画像が自動的に記録されます。
オートブラケットで撮影される画像
1. カメラが決めた自動の露出値(基本の露出値)の画像
2. 基本の露出値から一段階露出を下げた画像
3. 基本の露出値から一段階露出を上げた画像
ブラケット機能は、自動で撮る枚数(2~5枚)・露出の上下幅(0.3~1.0EV)などを設定することができます。
カメラ本体の設定画面より、事前に設定しておきましょう。
オートブラケット機能は、写真の明るさ(露出)を、どのくらいに設定したらいいのか分からない場合に便利です。
夕日やマジックアワーを撮影する時間は、短く限られています。
何回も露出変更の作業を撮影時に行うのが難しいと感じたら、オートブラケット機能を活用してみましょう。
一眼レフで夕日を撮影することのまとめ
一眼レフやミラーレスカメラなら、夕日を含めた風景を、美しく写真に残すことができます。
ただし、カメラのオート設定のままでは、夕日や夕焼けの燃えるような雰囲気・マジックアワーの幻想的な青さを出すのは難しいです。
今回紹介した、露出補正やホワイトバランスの調整・オートブラケット機能を使うことで、自分の思い通りの写真を撮れるようになってくださいね。